「例えば?」
「例えば、これは別の会社で行ってるプログラムですが、考えながらロールプレイをしたり、ただ、一方的に講師が話すのではなく、ゲームやシュミレーションで定着を図ったり」
恵麻ちゃん、ちょっと考える。
ちょっと話に何て乗っちゃって、どうしようっていう顔だ。
「すごい。ちゃんと考えてるんだ」
うんうん、と頷く私。
北関東一の営業力舐めるなよ。
「いいえ。ちょっと興味があっただけですから」
ふむふむ。
「だったらさあ、それ、まとめようよ。現場を実際に見て来て、いろいろ考えることあったはずだよね?」
「ええっ?」
もう遅い、恵麻。
「2,3日中に企画書出して」
「なに言ってるんですか?そんなことして何になるんですか?」
「何になるって、来年度の研修のたたき台にするよ」
「そんなの、課長に聞いてみないと」
「課長に聞くのは、無事に終わってからでいいよ。成功したら恵麻ちゃんの手柄。失敗したら私が責任持つから。これでどう?」