「今まで誰にも言えなかったんだよね……。苦しかったね、もう大丈夫だからね」 予想外の言葉に、驚きを隠せなかった。 (軽蔑しないの……? 気持ち悪くないの……?) 頭の中がぐるぐる回る。混乱するっていうのはこういうことを言うのだろうか。 「我慢しなくていいんだよ。……泣いても、いいんだよ……?」 「え――……?」 「今すごく、泣きそうな顔してる」 そうか、僕……泣きたかったんだ――。 僕は、彼女の腕の中で泣いた。