「お名前、聞いてもいいですか?」 彼をびくつかせないように、優しい声音で言った。彼は、ほんのりと顔を赤らめて、うつむいてしまった。 (……あたし、なにか変なこと言った……?) 彼は、もじもじと手先を遊ばせている。その様子は、女の子みたいだ。 彼を観察しつつ、あたしは彼の言葉を待った。