次の日、私はいつもより早く家を出て健磨の家に向かった。


ピンポーン

「あら里奈ちゃん、わざわざ迎えに来てくれたの?」
「はいっ((ニコッ」
「ごめんね。健磨のやつ、まだ準備中で…健磨ー!早くしなさい!」


それから数分後、バタバタと玄関から音が聞こえてきた。

「ごめん里奈ちゃん、おはよ。
来るなら言ってくれたら良かったのに…」
「もうダメ」
「へ?」
「その髪型、既にイケメンじゃない」

とりあえずその鬱陶しい髪を切って欲しい。
とはさすがに言えないので、私が手ぐしで整えて少し分け目を変えてみた。
校則ギリギリのワックスをつけて前髪を流してみる。

「うん、だいぶイケメンだわ」
「そう?」
「あとそのネクタイだらしない」

キュッとネクタイをしめてあげる。

「ん、OK」
「なんか新婚さんみたいだねっ」
「う、うるさいっ!」

こんなんだけどカップルですから。


そして一緒に登校した。

教室に入った瞬間、いつも通り冷かそうとしたやつらの目が泳いでるのがわかる。

「健磨、どうした?」
「なんか前髪流すだけでかっこいいね!」
「健磨ってイケメンの手前まで来てたんだー」

ツッコミどころ満載だけどとりあえず今はスルー。


とりあえず1日目は成功ってとこかな?