それから私は健磨とよく話すようになった。




「ねえ、健磨ってなんでそんなイケメンなのに隠してるの?」






この前見つけた事実。






体育のあと、前髪を掻き上げて体操服の胸をパタパタさせる健磨を見た。





その様子と言ったらもう少女漫画のワンシーンそのもの。




「ねえ、なんで?」
「別に隠してるわけじゃないよ。」





本当にイケメンだった。





もっとちゃんとすればイケメンなのになぁ。





「健磨ー、ご飯食べよー」





付き合ってないけど一緒にご飯。





でも、健磨も健磨で楽しそうだった。





「里奈ちゃん、一緒に帰ろ。」




健磨に差し出された手をいつも握っていた。



それは、付き合う直前の話。