あの名前とあの目は、数年前の今日亡くなった、飼い猫と同じだったから。






はい、おーしまい。

え、怖くない?むしろただの不思議な話?

贅沢言うなよー……

こっちだってしょっちゅう心霊体験してるわけじゃねーんだぞ?

……いつの間にか心霊体験してたりするパターンだってあんだから。

目の前にいる奴が死んでる奴だった、とかね」






なーんてね、と微笑を浮かべながら、現宇は蝋燭を指で弾くように消した。









もう隣の人の顔も見えないくらい、部屋は闇に包まれている。