『あーあ、なーんかあっけなかったなー』

『そうだな、たつや。結局なんだったんだろなー』

『でもさ、やっぱ転校先で新しい友達作ろうとワクワクしてるとこで死んじゃったら、なんか悔しいっていうか……心残りがあるもんじゃん?』

『ニナの言う通り。かいだって、サッカーの授業楽しみにしてたのに雨で中止になったら嫌でしょ』

『……なるほどな』

『じゃ、今度の土曜日さ、今日クラスメイトが全員揃った記念に皆でどっかで遊ばない?』

『それ良いね!賛成!』

『大人数で行っても大丈夫なとこがいいよね〜』


ニナは立ち止まり、空を見上げた。

刷毛で塗ったような雲がポツポツと浮かんでる。


『来世では、友達になりたいな』


ぼそっと、誰に言うでもなく呟いてみた。


『ニナ?置いてくよ?』

『あ、待ってよ、みかー!』


七つの影が、また夕日を浴びながら伸びていく。











はい、ボクの怪談はこれでおーわりっ!えへー、どーだった?

……え、全然怖くないって?むしろ良い話だって?

いや、忘れちゃった?ともえちゃんがやったのは、物を隠したり服の裾をちょっと切るイタズラ。体育館の電球を落としたり、窓ガラス割ったりはしてないんだよ。

あ、そうそう!ともえちゃんのお母さんね、ともえちゃんが亡くなった事故を学校のせいにしてるんだって。

お馬鹿だよねぇ〜、確かに事故が起こったのは通学路だけど、学校は直接関係無いのに。

何回もクレームの電話、学校に入れてたらしいの!

もしかしたら、ともえちゃんが助けてなかったらヤバい事になってたかもな事故も……ふふふ、顔が青ざめてるねぇ新入生ちゃん!そういう事だよ!」




水若ちゃんの言う通り、オチは言わない方が良いよね☆

ボクが怖いのは、幽霊よりオバケより、そういう類のものだよ―――

と、クスクス笑いながら、刹邏は四本目の蝋燭を吹き消した。


段々と、怪談倶楽部の部室は闇に包まれていく。