「えっ、急に何ですか?

と言うか、昨日も寝る前にやりましたよね?」

寝る前のハグは今でも健在だ。

「小春ちゃんの後ろ姿を見ていたら、何だか抱きしめたくなった」

「意味がわからないです」

それよりも、する必要がありますか?

「俺のこと、嫌いになった?」

「何でそんなことを聞くんですか?」

引き下がらないのは目に見えてるから、ちゃんと答えますけど。

「好きですよ」

あたしは言った。

「あたし、欣一さんに恋をしていますから」

「小春ちゃん!」

「きゃっ!」

あたしの返事がよっぽど嬉しかったのか、朝比奈さんが抱きついてきた。

やれやれ、また流されてしまった…。

でも幸せだし、朝比奈さんに恋をしているからいいか。

彼に抱きしめられながら、あたしはそんなことを思ったのだった。

☆★END☆★