窓から差し込んでいる太陽の強烈な光にあたしは目を開けた。

この部屋に取りつけられていたカーテンも朝比奈さんの自宅に持って行ってしまったため、朝になるとどうしても窓から強烈な朝の日差しが入ってくる。

枕元のスマートフォンに手を伸ばして時間の確認をすると、9時を過ぎたばかりだった。

もう少しだけ寝ようと思っても、日差しが差し込んでいるせいで眠れる訳がない。

早いけど、もう起きることにするか。

ふとんから出て片づけると、パジャマからジーンズとTシャツに着替えた。

手ぐしで髪をとかしながら1階に降りると、
「あら、もう起きたの?」

驚いた様子で母親が言った。

彼女はこれからパートの仕事に出かけるのだ。

「うん、起きた」

あたしが返事をしたら、
「欣一さんがきたから、ちょうど起こしに行こうかと思っていたところだったの」

そう言った母親に、あたしは耳を疑った。