「そうそう。

僕はあれこれ悩んでるっていうのに自分はさっさと決めてヘリに向かっちゃうし」


「迷えば迷うだけ命が削られて行く」


「分かってるって。

もう…だったら教えてくれれば良いのにねー」


チラッとわざとらしく神那を見やる神崎。


言い返したいことがいくつかあるが、まぁいい。


面倒だし。


神崎も私が何を言いたいかぐらい分かった上で言ってる訳だから。


「お2人はどうして選ばれたんですか?フライトドクターに。

周りにだって沢山の医者は居たんですよね?」


「お。懐かしい話をしてるなぁ」


数枚の書類を片手にステーションへ入って来る青島。


「ドクターヘリ制度について勉強してるのかい?」


「はい、まぁ…」


なんとも歯切れの悪い言い方だ。