「…分かった」


ここは私が折れるしか、ないのか。


そうしなければ力づくになってでも休ませるだろう。


お人好しな皆ならば。


「その代わり、私が居なくて回らないなんて泣きごとを言わないこと。

…1日だけだから。

それだけ休んだら復帰する。

それまでお願い」


「はいっ」


「はいはーい」


「おん」


それだけ伝えると宿舎に向かって歩き出した。


「僕はヘリやるね。

悠くんはオペ、水原ちゃんは回診をお願い。

神那ちゃんをしっかり休ませてあげようね」


いつも身を粉にして働いて、自己犠牲の精神で自分の感情を押し殺して。




いくら神那ちゃんが強いからって頼ってばかりじゃ、甘えてばかりじゃいけないんだ。


神那ちゃんだって人間だもの。


無理をすれば疲れる。


この救命の状況じゃ長くは休めないけど、1日だけは確実に確保する。


神那ちゃんは僕らにとって必要な存在だから。


ここで潰す訳にはいかない。