私は、ぐるぐる頭の中で考えながら離れの扉を開けて、酒場へと向かう。
…どうしよう。
レイの胸の傷を確認する方法が思い浮かばない。
…というよりも、私はレイの部屋に入ることを禁止されてるから
“着替えを覗く”なんて、無理だよね。
…レイがちょうどお風呂でも入ってくれてれば、話は別だけど………
私は、緊張しながら酒場の奥へと入る。
ギシギシ…、と軋む廊下を進み、お風呂場へと続く廊下の角を曲がる。
…そうだよ。
そんな都合よく、レイがお風呂に入ってるわけが………
そんなことを思いながら、脱衣所へと続く扉のノブを静かに回す。
……キィ……。
「!!」
私は、はっ!として体が硬直した。
…ザァァ……
シャワーの音と共に、曇りガラスの奥にぼんやりと人影が見えた。
た………
タイミング良すぎ………!!
どきん!と胸が大きく鳴って、急に緊張し始める。
ま…待って。
覗くのはさすがによくないよ。
人として、どうかと思う。
しかし、私の考えとは裏腹に
体は脱衣所へと進み、扉を静かに閉めた。
曇りガラスの向こうに、湯けむりで隠れたレイがいる。
…服は……
着てるわけないよね。
お風呂はいってるんだもんね。
突然、体の体温が上昇し始めた。
覗けるわけ…ない。
これでもし、レイの胸に何の傷もなかったら
私はただ、“レイの体が見たかった変態”になってしまう。
…でも、もし傷があったら…?
…ザァァ……
シャワーの音が、脱衣所に響く。
…胸の部分だけ透けたり……
しないよね。
どくん、どくん、と胸が音を立てる。
…レイって、いつもはバーテンの服に隠れてて見えないけど
腕とかは結構たくましいよね。
私の手を引いて歩いてくれた時は、力も強かったし、手も大きくて指長くて…
って、ダメだ…!
何考えてるんだ、私は!!
このままじゃ、本当に変態だ。
私は、ぐっ!と覚悟を決める。
…一瞬だけ。
気付かれたら終わりだけど…
シャワーの音がしている今ならいけるかもしれない…!



