一日?!
パーティ終わってるじゃねぇかっ!
二十四時間もココア飲めるかっ!!
「闇避けの電磁波を通り抜けられればいいんだ。
他になにか、いい案はないか?」
俺の言葉に、モートンは怪訝そうに言う。
「魔方陣を消して僕のログハウスへ入るみたいに、レイ君が自分で電磁波を消せばいいじゃないですか。」
「“レイの姿”では魔法を使えねぇんだよ。」
ルミナの前では“人間のフリ”をしなきゃならない。
それに、屋敷を囲んでいるのは“魔方陣”ではなく“電磁波”だ。
電磁波を放っている“警備装置”を壊さない限り、パーティ会場には入れない。
………くそ……。
せっかくのルミナとのパーティがっ……。
「…それじゃあ、仕方ないですね。
今日は帰って羊を数えて寝てください。」
……え………。
モートンはそう言うと、眠そうに白衣の袖で目をこすりながらログハウスへと入っていく。
ぱちぱち、とまばたきをしてモートンの後ろ姿を見つめるが
モートンは戻ってくる気配もなく、ふわぁ、とあくびをした。
……羊……。
え、結局俺はパーティに参加出来ないってことか?
俺は最後の希望にすがるようにモートンに向かって声をかける。
「モートン!何か方法は思い当たらないか?
今は、お前しか頼れないんだ…っ!」
すると、モートンは何かゴソゴソと棚をあさって、俺の方へと歩いてきた。
そして無言で手に持っている袋を差し出し、俺はそれを受け取る。
な…なんだ?
何かの薬か……?
すると、モートンは、にっこりと微笑んで俺に言った。
「ココアの粉です。
あ、コーンスープの方がいいですか?実は、最近クルトンの入ったタイプを買って…」
「心の底からいらねぇ……っ!!」
あぁ、話が噛み合わない。
やっぱりコイツを頼ったのが間違いだった。
俺は心の中でそう強く思った。
《レイside終》