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「ここ、遊園地…?!」
レイの車で走ること一時間。
私たちが降り立った場所は、家族連れや恋人たちで賑わう遊園地だった。
私は、目を輝かせて遊園地を眺める。
わぁ…!
は、初めて来た………!!!
子どもの頃は、お父さんは仕事で忙しくて、お休みなんかなかったし
一緒に出かけられるような友達もいなかった
…嬉しい…!
私は、隣のレイを見上げて
少し興奮気味で口を開いた。
「私、いつか来たいと思ってたの…!
な、な、何から乗る??」
「そんなに焦らなくても遊園地は逃げねーよ
今日は一日ここにいるんだから、好きなのを思う存分乗れ。」
っ!
レイの柔らかく甘い笑みに
私は、つい直視出来ずに目をそらす。
や、やっぱり、今日のレイはいつもと違う。
前までレイはお客さんの前以外では、くすりとも笑わなかったのに。
「どうした?何でこっち見ないんだよ。」
レイの問いかけに、私は小さく答える。
「レイの笑顔が眩しくて…っ。」
「何だそれ。」
くすくすと笑うレイは、私の手を、さっ、と取った。
そして、ゆっくり私の手を引きながら歩き出す。
「今日は特別。全力で楽しもうぜ。
俺もたくさん笑う予定だから、ルミナも俺に笑顔を見せろよ?」
!
「うん!」
私は、小走りでレイの横に並び
満開の笑みで彼の言葉に頷いた。
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門を潜ると、そこはまるで別世界のようだった。
私たちはまず、近くにあったコーヒーカップに乗り込む。
レイが、ハンドルを回すと
ゆっくりとコーヒーカップが回転し始めた。
動き出す世界に、私は目を輝かせる。
「ルミナ。これ、ハンドルとは別に魔力を使うと、カップがさらに速く回るらしいぞ。
一回Maxまでやってみるか?」
「えぇっ?!
レイがMaxまで魔力を放出したら、私、飛んでっちゃうよ!」
「心配すんな。
飛ばされても、俺が瞬間移動魔法でルミナを抱きとめに行ってやるから。」
「それ全然安心出来ない…っ!!」
二人で想像して笑いあう。
レイとの初デートはずっと期待してたし、きっと楽しいんだろうなって思ってたけど、想像以上だ。
「ルミナ、次行くぞ、次。
あ、疲れたら言えよ?俺が全力で介抱してやるから。」
「ふふっ。うん、分かった…!
行こっ、レイ!」



