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《レイside》
トッ、トッ、トッ…
翌日。
ルミナが買い出しで不在の間
ソファに座った俺はケータイを片手に画面を指で操る。
「レイ、熱心に何を調べてるんだ?」
「兄さん、お茶ちょーだい。」
「ルオン、てめーは何しれっ、と酒場の集いに参加してんだ…っ!」
俺の向かい側のソファには、頬杖をつくロディと当たり前のようにそこにいるルオンの姿。
…こいつら、セットで酒場に来るようになりやがって……。
じとっ、と彼らに視線を向けていると
ルオンがテーブルの上に置いてある紙を
ぴらっと手に取った。
「ん?“ルミナの行きたそうな場所リスト”?
何これ。まさか、デートコース?」
「おい、勝手に見んじゃねーよ!
人のプライバシーを!!」
俺がルオンに向かって叫ぶと
ロディが神妙な顔をして呟いた。
「…まぁ、今さら俺は何も言わねぇよ。
デートでも何でも好きにしろ。」
えっ!
いいのか?
予想外のロディの言葉に、俺は目を輝かせた。
あれだけ、“嬢ちゃんに手を出すな”って言ってたから
てっきり、ロディはデートに反対すると思ってた。
すると、その時
ルオンが紙を見つめながら眉をひそめて言った。
「えー、ここ行くの?ベタだな〜。
兄さん、いくつ?」
「うるせぇ!ルミナが前に行きたいって
ぽろっ、と言ってたところなんだよ。
メモ、返せッ!」
俺は、ばっ!と立ち上がってルオンから紙を奪い取ると
ドサッ、とソファに腰を下ろして頬杖をついた。
ロディは、“六歳も年下の弟にデートプランをベタだと言われた哀れな兄”を見るような視線で俺を見つめている。
…ほっとけよッ!
口にしなくたって、ロディの考えてることは何となくわかるんだからな。
俺がムッ、としてロディを見つめていると
ロディは俺の手からメモを抜き取って目を通した。
無言で、目だけ動かしていたロディは
ザッと一通りメモに目を通し終わると、
何か言いたげに小さく呼吸をした。
俺は、そんなロディに向かって低い声で言う。
「ロディ。お前もベタだとか言うつもりか」
すると、ロディは「いや、」と答えて
メモを指差しながら言った。
「これ、夜にレストラン行って終わりか?
普通、その先があるもんだろ。」



