闇喰いに魔法のキス



しかも

“デートしない”?とかのお誘いじゃなくて、行くこと前提。



「れ、レイ…急にどうしたの?」



もしかして、昼間のルオンに刺激されちゃったとか?


私がそわそわと落ち着かないままレイを見つめていると

レイはいつものポーカーフェイスで言葉を続けた。



「いやー、ルミナには色々世話になったし。礼っていうか、まぁ、思い出作りがしたいっつーか…。

やっと平和になったしな。」






“思い出作り”…。



レイの口から出た言葉に、私は胸がじぃん、とした。



レイが、デートしたいって思ってくれるなんて…!



私は嬉しすぎて、つい顔が緩んだ。

レイは、小さく笑って私の頬を、むにっ、と優しくつねった。



「“にへっ”としてんじゃねーよ。

…そんなに嬉しいのか?」



「うん…!

だって、初めて、だし………。」



すると、レイは優しい瞳をして

私に甘く囁いた。



「じゃあ、ルミナのしたいこと全部するか。明後日だけは、何でも願い聞いてやるよ。

明日中に、行くとこ考えとくから。」






私の願いを、全部…?



胸に、レイが好きだという気持ちが込み上げる。



あー、もう

我慢できないっ…!



私は、つい、ばっ!とレイに抱きついた。



「っ!お、おいっ…!

急に、くっつくなっ…!」



照れたような声が頭上から聞こえる。


私は、ぱっ、と顔を上げてレイを見つめた。


そして、まばたきをするレイに向かって笑顔で答える。



「レイ、ありがとう!すごく嬉しい…!

楽しみにしてるね!」



「!」



レイは、ぴくり、と眉を動かして私を見つめた。


そして、優しく目を細めて頷く。



……初デートだぁ……。



私は、二日後が、今から待ち遠しくてたまらなくなった。



…きっと、今日と明日は眠れないな。


たぶん、ずっとデートのことばかり考えちゃって、仕事も手につかないと思う。


レイに怒られないようにしなきゃ。



私は、抑えきれない顔の緩みを、必死で手で覆い隠す。


レイは、どこか遠くを見るような瞳で

私をまっすぐ見つめていたのだった。