闇喰いに魔法のキス




私は、ぴくり、と肩を震わせた。


少しドキドキしながらレイに答える。



「…うん。知ってた。」



「えっ?!!!!!」



「ごめんね、実は起きてたの。」



「ま、マジか。…言えよっ、ばか。」



「なんか…起きれなくなっちゃって…。」



「そ、そーだよな……、ごめん…。」



会話が途切れた瞬間

お互い顔を見れずに視線を逸らした。


レイは、私を離そうとはしなかった。


私は、緊張がおさまらないまま

必死で赤くなった頬を冷まそうとした。



その時

少し掠れた小さな声が耳元で聞こえた。



「…俺がギルだってバレた時。ずっと“手を出すな”って言われてたし、自分でも一線引いてたけど…

初めてルミナとキス出来て、実はすげー嬉しかった。」







どくん!



不意打ちで語られた本音に、心臓が高鳴った。


私は、まつ毛を伏せて、レイに体重を預けながら答える。



「…うん。私も、嬉しかったよ。」



「…!」



初めて、レイの心に触れられた気がしたから。

壁が、なくなったような気がしたから。



私の言葉を聞いたレイは、ぎゅ、と一瞬微かに腕を力を入れると

ふっ、と力を抜いて私から少し離れた。


至近距離で交わった視線。


二十センチ先にいるレイが、私を見つめながら言った。



「…不安は、なくなったか…?」



私は、頬を赤くしているレイを見つめて

小さく微笑みながら頷いた。



…レイ、耳まで赤くなってる。


せっかく気持ちを落ち着けた所だったのに、私もまた緊張してきちゃった。



その時

レイが、ふと何かを思い出したように
はっ、とした。



レイ…?



私が、きょとん、として見つめていると

レイは小さく呟いた。



「…もう一個、あったな。」


「…?」



すると、レイは照れたように私から視線を逸らして言葉を続けた。



「…俺、ルミナと初めて出会った日。

もう、ルミナのこと好きだった。」



「えっ!!」



突然の告白に、私は目を見開いた。



う、嘘……

初めて会った時から……?



嬉しさと感動が体を駆け巡る。


ぱちぱち、とまばたきをしていると、

レイが、ムッ、とした表情で言った。



「……そこは、“私も”って言えよ。

さっきまで“私も”って答えてたくせに。」



「えっ?!い、いや…私は……っ!

レイのことは好きだけど、気付いたのはほんと最近で…!」