私が、変わらない様子のルオンに、ほっ、として
細い裏道へ入った時だった。
ぴた、と急にルオンが足を止める。
「…?
どうしたの、ルオン?」
私がそう言った、次の瞬間だった。
ルオンが、私の腕を掴んで
ぐっ!!と引っ張った。
…っ?!
ぐらり、と体がよろけて、ルオンに向かって倒れこむ。
「る…ルオン……?!」
私が彼の名を呼んだ、その時
今まで私が立っていた場所に、ドッ!と
一本の黒い矢が突き刺さった。
!!
突然のことに、私はただ驚いて立ちすくむ。
…ルオンが手を引いてくれなかったら
私は今ごろ、あの矢に貫かれていた……?
ぞくっ!と体が震えた時
ルオンが小さく私に言った。
「…もしかして、ルミナを狙ってる闇って、“あいつら”…?」
え…?!
ルオンの言葉に、私が驚いて彼の視線の先を見ると
そこには黒いマントを着た数名の男たちがいた。
!!
“ダウト”だ!!
私は、ぎゅっ!とルオンの服を掴んで言った。
「逃げよう、ルオン!
あいつらは、人の命を平気で奪う奴らなの!」
ルオンを巻き込むわけにはいかない…!
その時、黒マントの一人が私たちに向かって口を開いた。
『今日こそ、シンを渡してもらうぞ!
大人しくすれば、連れの男には手を出さないでやるが…どうする、女?』
!
…ルオンを助けるために、シンを渡せってこと…?
と、その時
私の隣で黙っていたルオンが、すっ、と私の前に出た。
…?!
驚いて目を見開くと、ルオンは黒マントに向かって口を開いた。
「…お前らは、誰の指示で動いているんだ?」
ぞくっ!!
聞いたこともないルオンの低い声に、体が震えた。
“敵意”…?
いや、そんな言葉では片付けられない。
…もっと深い…
まるで、氷のように冷たく、鋭い視線。
黒マントは一瞬怯んだが、相手が子供だと見たようで
余裕の態度でルオンに答えた。
『誰の指示も受けちゃいないさ。
俺たちの上司のシルバーナ様はギルに消されちまったからな。』
!
この黒マントたちは、シルバーナの部下たちなんだ…!
と、その時
それを聞いたルオンがぼそ、と呟いた。
「…自分が本当は誰の下についているのかもわからない、“末端の捨て駒”か…。」
え……?
今、なんて………?
私が、ルオンへ声をかけようとした
次の瞬間だった。
ブワッ!!
ルオンが、一気に魔力を解放した。
ゴォッ!!と、辺りに衝撃波が広がる。
!!
私が息を呑んだ瞬間
ルオンの瞳が、鈍く光った。
……!
あの瞳は………!



