君が好きだと叫びたい

片手をそっと手に取り、ふんわりと手を繋がれた。


「マジかよ。同じ時期に同じこと想ってたとか、幼なじみってスゲェな。」

「うん、最早これは奇跡だね。」


ゆっくりと額をくっ付け合い、互いに微笑み合う。


何かが足りなくなってしまった日常に、今この瞬間、胸に満たされるものが確かにあって。


”幸せ”が、温かく、心地よく、視界いっぱいに広がっていく。


貴方の笑顔が、まさにそう。


タクトはクシャッと顔を緩めて、静かに呟く。


「あー。俺、スゲェ今さ、」














『君が好きだと叫びたい』
(幸せの余韻が、この胸を満たすから)




完結

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