祖父の名前を言ったと同時に、
そこには神社の扉が開いた。
私は行ってはいけないと思いながらも
好奇心にまけ、中に入ってみる。
そこにあったのは、小さな祠と
それらを囲むようにしている、縄…
中はこんな風になっていたのか…
でも、誰がこんな…
私が祠に近づいて行くと、強い風が吹き、
縄がほどけた。
その瞬間、私の体は誰かに抑えつけられた。
閉じていた目を開けるとそこには、
黒い獣が私のことを見ていた。
額には変な模様がついているし、
この妖からは普通のものとは思えないほど
妖力が感じる。
それほど、強いというのか…
「葵恩…ん?お前は葵恩ではないな」
「葵恩は私の祖父です!」
「祖父?…お前は何でここにいる」
別に…意味はないけど、好奇心?
ただ入ってみたくなっただけ…って
感じだし、説明なんて無理だけど、
「まぁいい…早く去れ。食うぞ」

