なんでも夜





「おはようございます。」


「おはよう、よく眠れたかい?」


「はい、お陰様で」



ここに来てから、私はよく寝付けるようになった。
それは、この人たちが優しくて、
他の所とは全く違うからだろうか…



前までの所は、私のことを不気味がっていた。髪の毛のことも目のことも…
そしてなにより、私の言動に
恐れていた。

どれだけ、平然と装っていても、この人達は気づいてくれた。



それが嬉しくて、私はこの人達を信じてみようと思ったんだ。
まだ、妖のことはいえないけど、
巻き込むわけには行かないんだ。


ここを追い出されたりなんてしたら、
もう私の行くべき所なんてどこにもない。
 

     カチャン


「ごちそうさまでした。今日も美味しかったです。」
 

「そう?ありがとう。はい、お弁当。
今日からがんばったね」


「はい」



美咲さんも祐一さんも私を快く向かい入れてくれた。
他の所とは違く、私のことを歓迎してくれた。


「いってきます。」