なんでも夜





《紫苑・・・紫苑》


まただ…また誰かに呼ばれてる。



私はいつも知らない声に呼ばれる。
いや、ただ忘れているだけかもしれない。



それに、私はこの場所を知っている。
神社…だったな…
まわりには藤の花…
藤の花を触ろうとしたときまた呼ばれた



《紫苑…》




それはすぐ後ろの方から聞こえ、
後ろを向いてみると、そこには知らない男が立っていた。


この人…誰かに似てる気がする…
誰だっただろう…



《初めましてかな?》


「貴方は…誰?」


《私か?そうだな…葵とでも呼んでくれ》




男の人にしては女の名前みたいだな…



「葵は私の何なんですか?」


《…それはまだ言えない…でも、紫苑…
素直に、自分が思ったように行動しなさい》




それがどういう意味なのかは
まだ私にはわからなかった。