なんでも夜





この人も祖父の事を知っている
好いてくれている…
こんなにも嬉しいことだったろうか…
今まで散々、祖父の事を悪く言われても
反論できなかった私だった…でも、


シイカは…好いてくれていたんだね…
祖父を…狐之江葵恩という人を…
守ってくれていたんだね…



「ありがとう…シイカ」



「な!私はただあんたの無様な姿を見るだけさ!」


「それでも…ありがとう」




人に…妖にお礼をいうなんて今までなかった
誰も、気にかける人なんて私の傍には
いなかったんだよ…

いや、いたかもしれない…でも、怖かった
たぶん…怖かったんだ…




つくまで私が眠っていると
気づいたとき前には洞窟があった
夢に出てきたあの洞窟…



「巴はここで待ってて」


「何?」


「あ、あんた1人で行くのかい!?」


「大丈夫…だから、ここにいて」



私が1人で中に進んでいくと
奥に進んでいくほど妖気が酷なり歩みが遅くなる
早くあるこうとしてもただ息が上がるだけ…