なんでも夜





「これから、俺はお前を主に約束のその時まで
お前を必ず守ろう」




その瞬間、獣の額が光り目を瞑ってしまった。
目を開けたとき、そこにはもう獣はいなく
残っていたのは少年だった。




「えっと…」


「わからんか?」


「え…ま、まさか」


「俺は狗神巴…お前は?」


「わ、私は…狐之江紫苑」


「紫苑?」



名前を聞いたとたん驚いたように
私を見入っていたが、すぐに諦めたかのように
横を通り過ぎていってしまった



「え、ちょっと!まさかそのままなの!」



「だったらなんだ」



「い、いや…流石に目立つし…」



急にあの人達の所に連れて行ったら
迷惑をかけてしまう…
それだけは嫌なんだ…



「はぁ…注文の多い奴だな」