おつきさま



月には羽の生えた君がいると
天文学者の父は言った
夜は君を映す鏡で朝は君を焼き殺す光

月、
深い凹凸を造り上げて
表しか見せないもんだから

夢のように温かい
君の歌を思い出すよ

いつか君が
違う顔して窓辺に来たら
僕はこの朝が
もっと好きになれる気がするんだ