女の子のピンチにすぐ出ていこうとする來瑳をひとまず止める。
「なんで止めるんだよ!」
そう怒る來瑳だけど、考えなしに動かれても困るのだ。
それを分かっているのが少なすぎる。
状況を読めている由紀が立ち上がり、ゆっくりとみんながわかるように説明する。
「いいか?今の状態は周りにあの女が俺らに大事なやつになりうるかもしれないと"思われている"状態だ。
つまり今助けに行かなかったらその情報は嘘だと、逆に行けば大事だと知らしめるという訳だ」
そう静かに、けれどめみんなに伝わる声で話す。
來瑳もそれを聞いて暴れていた体を止めた。

