傍から見ると一瞬秋に弄ばれてすぐに捨てられた、
そんなふうに思えるように、彼女にはそう言えと言った。
見る限り素直そうで優しい彼女は何の疑問も思わずにそう言ったのだろう。
その証拠に転校初日というのに彼女は友達になったのであろう女の子と楽しそうに帰っていたから。
だから油断していた、言い訳になるけどまさかそんなふうに思われるはずがないと。
秋に話しかけられた女。
私を除くあのたまり場に初めて足を踏み入れた女。
見るからに可愛らしい女。
まさか天龍の総長が一目惚れをしたのではないか、と勘違いされるなんて思わないでしょ。

