「皆さん、静かに机の下に隠れて下さい」

先生が小声で言った。しかし、一部の奴は静かにならない。

「きゃー!」

「うわーやべー」

「早く帰れるかな?」

「どうせ間違いだったとかでしょ」

馬鹿か、死ぬぞ貴様ら!
きゃあきゃあと騒ぐ奴、雑談する奴、腹が立ってくる。
不審者は二階の渡り廊下にいる。放送は暗号で気づかれないようにしているらしい。

しかし、賢い奴だったらすぐに気づくだろう。避難訓練のようにいくとは限らない。

「静かにしなさい」

先生が低い声でそう言うと皆黙る。この騒ぎ声……聞かれていないといいんだが……