「ところで泉、ネットでの誹謗中傷は治まったのか?」

「え……」

そう言った途端、江里菜が青くなる。

本編はここからだ。

「今まで仲間と一緒に荒らしていたのは、江里菜だ」

私は躊躇なく言い放つ。

「ちょっ……ちょっと!何言ってんのよ!私はそんなことしてないわ!」

「泉、高宮に見せてやれ」

泉はスマホを取り出し、すぐに画面を見せる。

「すっごく傷ついたんだよ?だから……すぐに誰かに言えるようにって……」

誰かに相談するつもりで、すぐに見せられるようにしていたらしい。

「ちっちがうの、これは……」

言い訳してももう遅い。よく使う絵文字をここでも使っていたのだ。どくろの絵文字を。

「……もう、二人とも俺に近づかないでくれ」

高宮はそう言って立ち去ろうとする。

「高宮、相手のことはちゃんとしらべないと、この学校では長続きしないぞ」

「……そうだな」

高宮と泉を別れさせるという任務は完遂した。後は何をしてもいいはずだ。

高校生活は、青く見えて真っ黒だ。それを高宮に教えたいと思ったのだ。