高宮は放課後の校舎裏に来た。誰かが来るのを待っている。

「高宮君!」

可愛らしい声で泉は高宮を呼ぶ。

「あの手紙……泉のか?」

「手紙……高宮君にも届いたの?」

高宮は頷いた。二人は顔を見合わせる。

「じゃあ……誰が……」

「全く……誰よ呼び出したのは……」

山吹 江里菜(やまぶき えりな)は手紙を握りしめ、あたりを見回す。そして泉と高宮を見つけると露骨に嫌な顔をする。泉は江里菜から目を逸らした。

「全員そろったな」

いつもより低い声で言う。

「誰よ!?どこにいるの!?」

「高宮、知っているか?」

江里菜の言葉を遮った。

「泉がお前と付き合うためにしたことを……」

恋愛相談に乗り、相手を出し抜こうとしたこと……全てを話す。

「泉……」

「違う……そんなことしてないよぉ……」

泉は今にも泣きそうになる。しかし、江里菜は追い打ちをかける。

「この裏切り者!私が高宮のことが好きって知ってるくせに、付き合ったことを報告したでしょ!」

泉はとうとう泣きだしてしまう。これで、任務は終わった。