「でもさー、何か進展あったなら良かったね。」

「え?」

「だってほら、明日はもう終業式じゃん。」









そんな

ホッとしている矢先に
カナがそう言ってきたため



私はつい、目をパチパチとさせた。







そして、再びハッとする。










「そ、そっか明日から夏休みだ!!」

「そうだよー。
だからほら、受験期の夏前に良い思い出出来て良かったね。」










そう言って笑顔を浮かべるカナ。




私はそれに軽く頷きながらも
内心、悲しさが広がっていた。









(あ、あんなことがあってすぐ会えなくなるなんて……
タイミング悪すぎる……っ!)









ぼーっと幸せに浸るばかりだった私が1番いけないけど、



あのキスの意味もはっきり聞く前に
夏休みが来てしまうなんて

かなりバッドタイミング。









(…塾は、明日からあるし……。)









それも、朝から晩まで。






そして今日は夏期講習とは別に
普通に塾の授業がある。










「うわ…お、追い詰められた…。」

「え?何が?」









思わずそう独り言を呟くと

カナが不思議そうに私にそう返す。





私は何でもない、と首を横に振りながらも



内心、大きくため息を吐いた。