(はっ………重症どころか…
完全に、やられてんじゃねェかよ…。)








そう思いながら



俺はベッドに体を倒して
目に手を乗せる。









─────気付くの、遅ェよな 俺も。











「………"好きかも" じゃねェ…
…好きだろ、こりゃ……。」












─────俺は柑奈が、好きなんだ。










熱に侵され
ボーッとする頭で



そんなことを考え中ながら


自分の気持ちを はっきり自覚した。










恋愛なんて特に興味も無かったし


自分からするつもりはさらさらなかった。








───けど、何となくこんな予感はしてた。













『柑奈のそーゆーとこ、結構好きだわ。』











───あの時も












『睫毛。目元についてた。』










───あの時も











『お前らが2人でいるとこ……
何か、見てらんなかったんだよ。』












───あの時も。










それをずっと


見て見ぬ振りをしてきたのは

紛れもなく、俺だった。











(………俺は……)











完全に



…柑奈に惚れてる。













▲勇side END▲