見慣れない丘にたっていた。

眼下には小さな町並みが広がり、足元を春の風が駆け抜ける。

風に誘われるように振り返ると、丘の上には巨大な一本の木が空いっぱいに枝を伸ばしている。

ふと気づくと一人の少女がこちらを見下ろしていた。少女の唇が微かに動き言葉を紡ぐ。




(貴方の夢はなに?)




凜とした声が音としてではなく直接頭の中にひびいた。

俺は何かを言いかけたが、急に視界が揺らいだ・・・