「旦那様、どうかお嘆きにならないで。私、マジュ様のために精一杯がんばりますから」

私が手を握り返すと、彼はようやく現実に戻ってきたように顔を上げ、私を見た。

「……ああ、そうだ。君が必ずあの子を救ってくれる」

「はい、旦那様」

「あの子も君のことをきっと気に入る……そうだ、あの子の友だちになってやってくれ、リイナ。君たちはきっと良い友人になれる」

そう言われて、私は頷くのを少しためらった。

友人……なんて、8歳で故郷を離れて以来いたことがない。

欲しいと思ったこともないけど……。

マジュは一体どんな子だろうか。

そういえば年齢を聞いたことはなかったけど、たぶん、私よりいくつか下だろう。