「色々ためしてみたらいいよ。
すみません、この子に似合うもの、選んでもらえますか」

私の焦りを察したのか、ハルヒコ様は早々に私をショップ店員にあずけた。

そこから着せ替え人形のように色んな服を着せられて……。

店員さんたちもハルヒコ様も、私が何を着ても「似合う」「かわいい」「とっても素敵」と褒めるので、余計にどれを選んだらいいのか混乱して困った。

それでも何とか何着か選び、店を出るころには私はすでに若干疲れていた。


「なんだかぐったりしてるね。
ごめん、君があんまりかわいいからって、ファッションショーをさせすぎちゃったな」

「い、いえ、そんなこと……」

「もう帰りたい?」

「お、思ってないです」

私はあわてて首を振る。

(本当はちょっと帰りたいと思っていたけど)

ハルヒコ様はフフと笑って、少し身を引いて私の全身を眺めるジェスチャーをした。

「だけどせっかく良く似合う服も選んだことだし、それを着たまままっすぐ帰るのももったいないだろ?」