『もう怒鳴る元気もないのか?

昔お前が俺や………に何日も飯を与えなかったときと同じように、
俺もこうしてお前に二日飯を与えていないわけだが……』

二日も食事を与えていないだと!?

ということは……この夢の中ではおそらく、これは男が殴られた日から二日経っている。
男が殴られた日はテレビの内容からして今日。

つまり、これは明後日の出来事ということだ。


『俺さ、お前には苦しみながら死んでほしいんだよね』

そう言って、僕は手に持っていた裁縫針を、男の指と爪の間にねじ込んだ。

指先は、最も神経が通っていると言われている部分だ。
そんなところに裁縫針なんて入れられたら……。

『うぎいぃいぃい!!』

さっきまでだんまりだった男が、カエルの鳴き声のような悲鳴を上げた。

『くっ、はははははははは、ははははははっ!!』

男の反応を見て、僕は笑った。

とても、楽しそうに。


両手の五指すべてに裁縫針を入れ、やがて男は叫び声すら上げなくなる。


『なんだ……これにはもう慣れたか』


残念そうに呟くと、僕は男の指に裁縫針を入れるのをやめた。