水鳥が帰り、夜になり、僕は少しお粥を作ってそれを食べた後、すぐ床に入った。

夢を見るためだ。

手掛かりは、僕の夢しかない。

程なくして、僕は眠りについた。


(よし……ここは夢だな)


そこに広がっていたのは、例のテレビがうるさかった部屋だ。

男をハンマーで殴った際に床に付着していた男の血がなくなっていることに、僕は気付いた。

どうやら、誰かが血をふき取ったようだ。

おそらく、男を殴った夢の中の僕だろう。


僕は移動し、あの男が閉じ込められている倉庫へ向かった。


ホコリが舞う倉庫には、まだロープで縛られたままの男がいた。

『なあ、今どんな気分だ?』


男の口に貼られているガムテープを外し、僕が、男に問い掛けた。
男はぐったりとしながら僕を見つめるが、何も言葉を発しない。