夢殺し

「……でも、貴之はいいの?」


水鳥が、僕の顔をじっと見て、僕にたずねる。


「いいって、何が?」

「その、夢の中で殴られた男を助けることよ。

もしかしたら、その男を殴った犯人がいるかもしれないわ。
殺人未遂を犯していた犯人よ?

あなたの身が危ないわ」


水鳥が、僕の目をじっと見る。

水鳥が他人の目を見て何かを訴えるときは、大抵切羽詰っていたり、焦っているときだ。

口ぶりは冷静でも、水鳥も僕が見た予知夢に対して、必死なのだろう。


しかし、僕は言う。


「このまま死にそうな人を、放っておくことはできないよ」


水鳥の目を見つめ返しながら。