夢殺し

そして、近くにあったロープで、僕は男の体を縛り、ガムテームでその口を塞いだ。

男は、抵抗する様子を見せない。
おそらく、気絶しているのだろう。

男が動かないことを確認すると、僕は倉庫に鍵を閉め、出て行った。


そして、さっき男がテレビを見ていた部屋へ行く。

テレビにはさっきも映っていた低俗なバラエティー番組がまだ流れていて、大物芸能人が新人アイドルをからかい、スタジオはレベルの低い笑い声に包まれている。


『うるさいな…』


と、夢の中の僕は言い、ゴミの中からリモコンを探し出し、テレビを消したところで、僕は目を覚ました。


ザーザーという雨の音が外から聞こえてくる。
時計を見ると、五時間目が終わった頃だった。


「あら、目を覚ましたようね」


保健の先生が、僕に話しかけてきた。


「さっき、体温計をみたけれど…三十八度近くもあったわ。
今日はもう帰りなさい」

「でも…僕、今日傘持ってきていなくて……」

「それなら、職員室に貸し出し用のビニール傘があるわ。
とってくるから、ちょっと待ってらっしゃい」