ひどい吐き気と目眩に襲われていた僕は、眠ることにした。

一度眠ればスッキリするだろうと思ったからだ。


目を開けると、そこには頭から血を流して倒れた男がいた。

これは……僕が昨日の夢でハンマーで殴った男だ。


『うぅ……』


男は、呻き声をあげている。
よかった、どうやら死んでなかったみたいだ。

(大丈夫ですか!?)


と、声をかけようとするが、僕はここでは自由に身動きがとれないことに気付いた。


このままでは、この男が死んでしまう。


『チッ……まだ生きてやがるか』


彼を殴った僕ではない僕が、吐き捨てるようにして言った。

(僕ではない、別の誰か……お前は一体誰だ?
どうして、この男をハンマーで殴った?)


問おうとしても、僕の声は彼には届かない。


僕は、男をズルズルと引きずり、ハンマーがあった倉庫へ運び出した。