移動した先は、倉庫のようなところだった。

ほこりがあちこち舞っていて、鼻がムズムズする。


僕は、倉庫の隅にあった工具箱から、ハンマーを取り出した。


僕は、一体これで何をする気だろう?


ハンマーを手に持った僕は、またゆっくりと歩き出し、あのテレビがうるさかったさっきの部屋まで移動した。

音を立てずに、扉を開ける。


そこには、丸々と太った四十代前後の男がいた。

髪はボサボサで、髭は生え放題。
何日も風呂に入っていないのか、何だか臭う。

しかも、酔っているらしく、体臭と酒の臭いが混じって最悪だ。

イカっぽい臭いがするので、男が食べているのはおそらくスルメかなんかだろう。


テレビは、低俗なバラエティー番組が映っている。


部屋は荒れ放題で、そこら中にカップラーメンのゴミや、脱ぎ捨てられた靴下や、タバコの吸殻なんかが捨てられている。

(ゲッ…食べ物のゴミと衣類を一緒にするなよ…。汚いなあ)