そう言って、水鳥は自分の席に戻ったので、僕も自分の席に着いた。


今朝の夢……なんだったんだろう。
あれは、確かに“明晰夢”だった。

だけど、いつもは僕の視点から見える夢が、あのときは僕じゃない別の誰かの視点で、夢を見ていた。


あれは、一体誰なんだ?


僕は一日中、今朝の夢のことについて考えていた。

ホームルーム、一時間目と続き、ようやく休憩時間になった。


「貴之」


水鳥が、僕の席へやってきた。


「朝、相談があるって言ってたわよね」

「ああ、そのことなんだけど……」