「……まれなやつだな。時々あるんだ。
死ぬ際に起こる不具合だな。
感情なら思い出させるしか方法はない」

「そうですか。ありがとうございます。
失礼します」



ニコは電話を切り、優空のいる所へ戻ると、優空は哀しそうな表情で先程の男の子を見つめている。



「……かわいそうに」



そう呟きながら優空の方へ戻った。



「ニコさん……さっきの恋って何ですか?」

「……ま、また話すわね」

「そうですか。分かりました」



……恋、恋、恋。

頭から中々離れない。