「花宮の席は、奥村の隣でいいか。
委員長用意しててくれたんだなありがとう。」
私の左隣に空席があったことに今更ながら気がついた。
隣の席の子は後ろの方へ追いやられていた。
それより、花宮洸季が隣…!?
やだ…。
「よろしゅうしてくださいな。
てか、俺の間違いやったらごめんけど、ミイちゃん?」
ミイちゃん。懐かしい。
私のことをミイちゃんと呼ぶ人は彼以外いない。
「そう…だよ。
久しぶり…花宮君…」
前まではコウちゃんって呼んでた。
変わってしまった彼をどうしても昔のように呼べなかった。
「ほんまぁ!?あれからミイちゃんどこに引っ越したのか分からんくて心配やったんよ!
花宮君なんて他人行儀やで!昔みたいにコウちゃんって呼んでや!」
なんの嘘もなさそうな笑顔は昔と変わらず、私は少しだけ微笑んだ。
「うん。
コウちゃん。」
今の私にはこれが精一杯。
彼が変わった理由を知りたい。
そして、彼に言ってしまった言葉を謝りたいんだ。
彼の傷ついた顔が忘れられないの。


