「はぁ…。」 誰もいなくなった教室で私は一つため息をつく。 「あれ?奥村、まだいたのか?早く帰れよ」 教室のドアから担任の沢村先生が私に声をかける。 私は作り笑いをしながら頷いた。 奥村 美奈。 日誌の隅に自分の名前を書き終え、私は教室を出た。 私が向かったのは屋上。 帰宅する前にいつも寄っている場所。