いつものように夕食の準備をして修哉さんが帰ってくるのを待っていた時だった。

バン!

「な、何だ…?」

ドアを蹴飛ばしたような音に、あたしは何事かと思いながら玄関に顔を出した。

そこには、血相を変えた修哉さんがいた。

長距離ランニングでもしてきたのだろうか?

「あの、どうしたんですか…?」

ゼーハーと荒い呼吸をしている修哉さんに、あたしは歩み寄った。

「――た、大変だ…!」

修哉さんが青い顔のまま、あたしに言った。

「えっ、何がですか?」

何が大変だと言うのだろうか?

そう思いながら聞き返したら、
「どうやら、ほのかちゃんがここにいることがバレたらしい」

青い顔のままで修哉さんが答えた。