最後の瞬間まで、きみと笑っていたいから。


カウンターの上に置いてあるポップを見ると同時に、

「おめでとうございますー!」


カランカランカラン!


お姉さんがどこから出したのか、ハンドベルを鳴らす。滅茶滅茶目立ってるんですけど。


そして差し出されたのは、

「遊園地のペアチケット……」

そう、3等はこの街にある遊園地のペアチケットだった。


お姉さんはニコニコして「よかったですね。おふたりでどうぞ」とチケットを渡してくれた。


でも遊園地って……。


受け取って固まる私。


「よし、それはお前にやるよ」


多賀宮くんのセリフに、

「いや、もともと私のじゃない?」と、一応突っ込んで返した。


どうやら多賀宮くんにその気はないようだ。

ここは一緒に行く流れなんじゃないの。


「……疲れるだろ。暑いし」


私の無言の圧を感じたのか、先回りしてそう答える多賀宮くん。


「まぁ、そうだよね……」


多賀宮くんは疲れることが嫌いだもんね。