ドキン……ドキン。
意識し始めると、とたんに心臓が胸の中で跳ね回る。
「あの……」
勇気を搾り出して口を開いたその次の瞬間、パッとプラネタリウムが消える。
プログラムが終わったんだ。
「えー、もう終わり?」
多賀宮くんが子供みたいに唇を尖らせた。
その表情にハッと我に返った私。慌てて言葉を飲み込んだ。
「どうして死にたいと思っていたの?」なんて、とても言えなくなっていた。
一面の星が消えて、暗幕がかけられただけの部屋になる。
気を取り直して、
「……どうだった?」
と尋ねると、彼は「いいな」とシンプルに答えた。
言葉を尽くすわけじゃない。饒舌でもない。
共感したいとか、私にわかってもらおうなんて思ってない感じが、私には逆に、なんだかとても大人っぽく思えた。
多賀宮くん……不思議な人だな。
男っぽくて、きれいで、大人っぽいけど、子供みたいなところもあって……。
自分勝手で自分のことはどうでもよさそうなのに、私のことは助けてくれた。

