「今日もかっこよかったなぁ〜」

部活終わりの部室で私は友だちに話した。

「好きだね〜頼(らい)せんぱいのこと」
「だって、今日のプレー見た?」
「はいはい、わかったから」

1個上の先輩の高田頼せんぱい。
凄くバスケが上手くて、憧れの先輩。

「頼せんぱいにバスケ教えてもらいたいなぁ〜!」
「怪我治ったらね笑」

私は今、捻挫でバスケが出来ない。
練習も見てることしかできない。
その代わり、頼せんぱいをすごく見れるけど……笑

その生活が1ヶ月ほど続いた。
そして、病院からバスケをしていいと言われた。

1ヶ月もやっていなかったので、
かなり鈍っていた。
だから、朝は早く来て練習してから学校に行こう。
そう決めた。

近くの公園にはバスケットゴールがある。
そこで前の様に練習した。
すると、誰かが入ってきた。

ー頼せんぱい!

「君、女バスの子?」

(私のことわかってるのかな???)

「はい!」
「自主練習なんて、偉いね」
「みんなに早く追いつきたいからです!」
「へぇー」

興味無さそ笑

「俺、教えてあげようか?」

え………………………………………え!?
まじで?

「いやならいいよ」
「いえいえいえいえいえいえ!
ぜひお願いします」

学校に行くまでの時間、私は頼せんぱいに教えてもらった。
夢のような時間。
そんな時間はあっという間に過ぎていった。

「じゃあ、俺は学校行くからこのへんで」
「あ…ありがとうございます!」

ちょっとガッカリだった。

(もっと一緒にいたかったなぁ)

「スタメン、取れるようにな」
そう言って頼せんぱいは私の頭に手を置いた。

神様、
今日のことは絶対に忘れません。
1ヶ月我慢した御褒美ですね。
ありがとうございます。

そう思いながら、私は登校した。