* * *
「こんにちは~」
「なおちゃん、久しぶりだね~!元気だった?」
母校に来ていた。
元担任が嬉しそうに私に話しかけてくれた。
「はーい!元気です元気です!
あの~。父、いますかね?」
「校長先生なら、来てるわよ。」
「ありがとうございました~」
私の父は高校の校長をしている。
祖父は理事長で祖父の手伝いもしているらしい。
(( コンコン
校長室の扉をたたく。
「はい、」
いつもの父とは違う声がする。
「失礼します。」
そういって校長室に足を踏み入れる。
父と目があった。驚いていた。
「久しぶり?」
「久しぶりだな。」
「驚いた?」
「かなり。」
「あのね、私のほうに、この書類届いてたから、渡しに来たの。」
「そっか、ありがとな。」
「じゃあまた、次は夏に帰るよ。」
「おう、気を付けてな。」
それだけの用事だった。
